「医療事故が怖い」と思うのは必然。
私たち医療者はこの医療事故と紙一重の場所で働いています。
しかし、この仕事を行なっている以上、背中合わせであり避けて通ることはできません。
この「医療事故」というプレッシャーに耐えられなくて、看護師を続けられず、辞めていく人も少なくありません。
「医療事故」というんは確かに怖いことです。
しかし、これは、新人ナースに限らず先輩ナース、医師、臨床検査師といった他職種も常日頃から医療事故は怖いと思っていることなのです。
結論から言うと「医療事故が怖い。」と思うのは必然なんです。
ではなぜ「医療事故」を起こすのでしょう。
「医療事故」を起こす原因
医療事故を起こす原因とはいったい何でしょう。
おそらく医療現場で働いている人であれば、以下を思い浮かぶことでしょう。
- 人手が足りていない
- 業務量が多すぎて忙しい
- 技術・知識不足している
- 経験不足している。
だいたいがこういった原因が医療事故になっていると思う人も少なくないと思います。
ですが考えてみて下さい。
人手が足りないなんて、どこの病院も一緒です。
海外・国内問わずどれだけ大きい病院でどれだけの大人数がいたとしても医療事故を起こさない。
そんなことはないのです。医療事故は起きているにです。
下記の医療事故は大学病院や都立病院です。
1.横浜市立大学の事故
手術時に2名の患者を誤って入れ替え、双方に予定と異なる手術を施してしまった事故。事故が発生した直接的な原因は、看護師が2名の患者を手術室へ同時に移送したために、受け渡しを誤ってしまったことです。移送後も麻酔担当医・執刀医ともに入れ替わりに気付かず、手術が実施されてしまいました。事故の発覚は手術が終了し、患者をICUで観察しているときでした。引用元:epilogiより
2.都立広尾病院の事故
入院患者に誤った投薬をしたことで死亡させてしまった事故。患者は関節リウマチを治療するために入院しており、その手術の翌日に事故が発生しました。看護師が他の患者に投与する予定の薬を誤って注入したことが、原因だと推定されています。引用元:epilogiより
こういった記事は調べればたくさんあるのです。
だから普段の業務から医療事故を起こさないようにさまざまな確認をするんです。
たまに 「何でこんなことをやっているんだろう。」 と思うようなこともあるかもしれません。
ですが、今、病院で行っていることは過去に病院で起きた医療事故の事例やニュースで取り上げられた事例などを踏まえて対策をとってやっていることなのです。

すべてに意味があるんです。 それを怠った結果「医療事故が起きるのです。」
しかし、どんなに確認しても人間同士が行なった確認です。
人間は一定を保てる生き物ではありません。浮き沈みはもちろんあります。
その人の体調、精神状態などから「うっかり」や「確認不足」が出てくるのです。
そしてインシデントレポートには「確認不足」「知識不足」「多忙」などの理由があげら、結局はヒューマンエラーとして片づけられるのです。
そして、事故対策委員会であげられる内容も結局はヒューマンエラー。
これでは、いつになっても事故は減りません。
おそらく頭の中ではそれが解っている人もいると思います。
ヒューマンエラーからくる事故は憶測だらけ
ヒューマエラーからくるミスには憶測だけで判断してしまうケースもあります。
「昨日は大丈夫だったから今日も大丈夫だろう。」
「たぶん〇〇だったはずだから、大丈夫だろう。」
といったような、思い混みや憶測で判断してしまうとミスにつながってしまうのです。
そして厄介なのが、事故を起こす瞬間までそのミスに気がつかないことです。
事故を起こし初めて、自分の判断が間違っていた、自覚していなかったと気がつくのです。
この看護師の仕事をしていて
- 「おそらく。」
- 「たぶん。」
- 「だったと思う。」
- 「たしか・・・」
という言葉は「タブー」です。
これを言った瞬間に先輩看護師には突っ込まれるでしょう。
う”ぇる氏も

たぶん・・・
っていった時に「たぶんって何!!」と怒られたことがあります。
けどこれは先輩看護師も経験や事例から危険だからと解かっているからです。
憶測だけの判断は本当に注意しましょう。
ほんの1㎜でも迷ったら必ず確認すべきです。
ではなぜヒューマンエラーがこれだけ多くてもシステム改善はしないのでしょう。
ヒューマンエラーで片づけられてしまう理由とは
これはある意味単純です。
それは「面倒」だからです。
ヒューマンエラーのせいにしとけば「あなたの確認不足で起きたこと。」「しょうがない。次から気をつけよう」で、済まされて楽だからです。
実際は改善策(システム)を考えないと頭の中で解っている。
しかしシステム改善になると、改善策を話し合い、各病棟、各部署でも対策を立てて共有していかなくてはなりません。
毎日忙しく働いているうえ、更に追い打ちをかけるように忙しくなってくるのです。
それが解っているからあえて改善しようとしないのです。
「もうダブルチェックなんてやってるよ。」
「確認だって何度もしているよ。」
と、思っているでしょう。
それでも尚、人間はミスを犯すものとして考えなくてはまりません。
医療事故はヒューマンエラーよりもシステムエラーの方が大きいとう”ぇる氏は考えます。
ヒューマンエラーはあくまでも結果です。
それの至るプロセスの余は事故が起こる前に食い止めることが重要だと思います。
本来であればシステムを築くあげていくことで改善が可能となってくるのに、そこから目を背けているのです。
「なぜ、その人が事故を起こしたのか。」ではなく。
「事故を起こさせた過程にこそ問題があるんではないか」と考えるべきなのです。
では、どのようにしてシステムを築き上げていけばよいのか。
システム改善をするにはどうしたらよいか
「だって私、経験も短いし、若手だからそんなこと言う権限なんてないし。」なんて思う人もいるのでしょう。
しかし、う”ぇる氏かから言わせると

せっかく考えたことを言わないのは勿体ない。
と思ってしまいます。
言ったことで、逆に怒られてしまったり、否定されて終わってしまい意見が言えなくなってしまうことも原因としてあるでしょう。
言えないとなると、コミュニケーションから作りかげていくしかありませんが、そんな事をしているうちにまた、事故が増えていきます。
もし管理者に言うことが出来ないのであれば、病棟会や信頼できる先輩看護師に話してみる。
もしくはスタッフ同士の話から広げていき、最終的に管理者の耳に入るようにするなど手法としては良いかもしれません。
システムエラーの改善はチームとして働いている人たちにとって「資産」になります。
そんな手法を使っていっても、それで事故が減らせるのであればそれに越したことはないです。
ぜひ、ヒューマンエラーを考えるのではなくシステムエラーを考え改善していって下さい。
まとめ
今回「医療事故」に関する記事を書かせてもらいました。人が行なっている以上、ヒューマンエラーはなくすことはできません。ヒューマンエラーによる事故はあくまでも結果です。それよりもミスを犯さないための過程を改善しミスを犯さないシステム作りが大切です。改善はチームにとって資産になります。そうすれば、また働くやすい環境が整っていくのではないでしょうか。
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